羊水過多症とは

日本では、妊娠時期を問わず羊水量が800mlを超えると推定される場合や、800mlを超えていると確認されたものを羊水過多と呼んでいます。
羊水量は、人種によって多少の差が出ると考えられており、欧米では羊水量が2000mlを超えるものを羊水過多とする場合が多いです。
羊水過多症の発生頻度は、約1~3%と言われています。

羊水過多症 切迫早産

数週から数か月をかけて徐々に羊水が増えていく慢性羊水過多症が大部分ですが、まれに数日で急激に羊水の増加する急性羊水過多症があり、急性羊水過多症の方が注意を要します。
羊水量の把握する方法としては、最近では超音波によって羊水量を推定する方法が一般的です。なかでも、羊水深度AFI(amniotic fluid index)を計測する方法が広く使われています。

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羊水深度

最も羊水の貯まっている部位の羊膜腔の最大震度を測る方法です。一般的に8センチを超えると羊水過多と診断されます。羊水過多の程度について、羊水深度8~11センチを軽度、羊水深度12センチ~15センチを中等度、羊水深度16センチ以上で重度と考えられています。

羊水深度(㎝) 推定羊水量(ml)
40
100
3 200 
310 
420 
530 
630 
810
1100
10  1500
11  2100
12  3100 
13 4500

AFI超音波断層により羊膜腔を4分割し、それぞれの縦径の総和を求めるやり方です。羊水過多症の原因羊水過多の半数以上は、原因が不明です。(下表参照)

原因が分かっているもののうちでは、一般に胎児側の要因(先天異常・巨大児・一卵性双生児など)が多いとされています。
その他、母体側の原因としては、心・腎・肝疾患、糖尿病などがあげられます。羊水過多の原因(羊水過多120例のうち)羊水過多だとわかった場合は、その原因を追究することが大切になります。

軽度・中度の羊水過多の場合は、巨大児や糖尿病の合併を推測して、胎児計測や血糖検査を行います。
重度の羊水過多については、胎児の消化器系の奇形などの可能性を探るため、超音波検査・染色体検査をするとともに、早産や前期破水に注意することが必要です。羊水過多症の治療羊水過多の多くは特別な治療を要しません。ただし、母体に持続的な腹痛や呼吸障害が現れる時には、入院してお腹に針を刺して羊水を抜くこともあります。1~2時間をかけて1~2ℓの羊水を除去するのが一般的ですが、この際子宮の収縮(おなかの張り)を伴う場合には、子宮収縮抑制剤を投与される場合もあります。この他、羊水過多の合併症に注意する必要があります。

合併症としては、早産や前期破水、常位胎盤剥離や、産後の弛緩出血などがあげられます。

また、羊水過多の場合、胎児が骨盤位(逆子)になっているケースも多いので、なるべく破水等の起こらないように、慎重に過ごす必要があります。
また、羊水過多の場合は支給が大きく伸びている状態のため、微弱陣痛になりやすい傾向もあります。
他の妊娠トラブル同様、きちんと施設の整った病院で慎重に経過を診ていく必要がありますね。

原因不明 71例(59.2%)
胎児奇形 23例(19.1%)
多胎妊娠 9例(7.5%)
糖尿病 6例(5.0%)
巨大児 5例(4.2%)
妊娠中毒症 2例(1.7%)
その他 4例(3.3%)
合計 120例(100%)